L-Oba だいありぃ

愉しく083するブログ

東京美容室

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当時の永井真理子さん

そろそろ美容院に行かなくちゃ。
鏡の中の私は、キングヌーの井口さんのような髪型になっています。
井口さんのそれは、男性だし、ワイルド&やさ男な感じでいいのでけれど、私のはただ伸びただけです。
うさぎさんに、次、どんな髪型にしようかなと相談したところ、
「クリス智子さんがいい」とのこと。
そうだね、私もクリス智子さん程の透明感や色々だったら、クリス智子さんみたいにしたいよ。
でもそうではないから、「クリス智子さんみたいにしてください」は、言いづらくないかい?


そうだ、私もかつて「〇〇さん」みたいにしてください。
と美容師さんにお願いした事がありました。


遠く30年程前、私は思春期まっただ中の中学生。
故郷は地方都市で、もちろん東京ではないのだけれど、美容院の名前は
「東京美容室」。
家から近い事と、価格が安いという理由での母の推薦であります。
昔の地方あるあるだと思うのですが、美容師のお姉さん方は、「元ヤン」(※元ヤンキーの略。かつて不良だった人のこと)が多く、東京美容室も例に漏れず、90%元ヤンスタッフで構成されている美容院です。
私の住む町はヤンキーが多かったのですが、私自身はヤンキーがとても苦手で、なるべく目立たないように生きているタイプでしたので、この美容室は苦手でした。
苦手だけれど、中学生に選択の余地は無いので、必然東京美容室にお世話になります。


当時、どうしてもしたい髪型がありました。
永井真理子さんです。
ナチュラルで軽快なポップスや、恋の切なさをバラードで歌ったりする当時人気のミュージシャンで、浦沢直樹さん原作の柔道アニメ、YAWARA!の主題歌を歌っていた人です。
ボーイッシュだけどかわいい感じというのが、新鮮な時代でした。


いや、「永井真理子さんみたいにしてください。」くらい中学生らしい発言でいいじゃないかと今の私は思います。
でも当時はお年頃だし、なかなか言いづらいし、言いづらさよりもっと問題は、
「東京美容室」のお姉さんは恐らく永井真理子さんを知らないであろう事です。
そう、ヤンキーとは真逆の所に永井真理子さんはいる。(だから好きなのだけど。)
仕方が無いので恥を忍んで、雑誌の切り抜きを持っていく事にしました。
思い立っての事だったので、いい写真が無く、髪型全体がわかるような写真がかなり小さいです。
「永井真理子さんみたいにしてくださいって言って、分からないって言われたらこれを出そう。」
そう決心して向かった美容院。
対応してくれたのはやはり元ヤン代表のような、「SHOW-YA」のメンバーにいそうなお姉さん。


美容師さん:「カットね、どんな風にする?」
私:「あの…永井真理子さんみたいにしてください…」
美容師さん:「??誰??」
私:(やっぱり…)「あの、この写真みたいに……」
美容師さん:「え!? 写真小さくて全然分かんないわ、短くする感じね??」
私:「あ、あ……はい、あのちょっと丸っこい感じで」
美容師さん:「OK」


だいたいこのような会話のやり取りのあと、出来上がった髪型は、思った以上にややウルフなショートカットでした。
予想していたけどね。

 


大人になって、美容院も選べる自分になって本当に良かったです。
今回は、「ショートボブの、前髪短めでお願いします」って言おう。